保育園の事務員ってどんな仕事?保育事務を続けて8年目の筆者が語る、保育事務の現実

【体験記】

保育園で事務をするということ

普通の会社の事務員とは異なる保育事務の世界

「保育事務」と聞いて思い浮かべるのはどんな仕事でしょうか。

保育事務は保育園での事務業務全般を担うお仕事です。
園児のこと、そこで働くスタッフのこと、園の運営、そういった保育園全般に関わるあらゆる業務を任されるのが保育園の事務員さんです。

普通の会社で事務員をする場合極めてビジネスライクに進む事務処理も、保育園では常に近くにたくさんの乳児・幼児がいて、笑顔と歓声、さらには泣き声も飛び交います。そんな環境での事務処理は単に「事務処理」という言葉では表現できない楽しさと大変さが混在します。

いつでも賑やかで楽しい雰囲気、音楽が流れて体操が始まって、なんとなく体が揺れてしまうことだってあります。パプリカが聞こえてきて、思わず事務所を飛び出して一緒に踊り出してしまうなんてことも!

一方で、とても重要な処理を行う時や電話応対をする際も、賑やかさは消えません。集中したくてもなかなか集中できなくて処理がぜんぜん終わらない!!!なんてこともあったりします。

保育園で事務的な仕事をするというのは、実はとても大変な面もあるのですね。

保育園における事務員の立ち位置

私の働く会社では、1保育園に事務員は1名のみです。
業務量的に1名で十分だと思うのですが、追いつかなくて大変な園もあるようなので、任されている仕事内容によるのかもしれません。

事務員1名のみ、ということは、つまり自分のペースで仕事を配分して処理していけるということ。
私が応募の際に魅力を感じた点でした。

人と連携をとりながら確認しながら作業を進めるのも、安心感があるし頼れるので良いですが、私は人とやり取りをすることがあまり得意ではありません。だからこそ、自分で仕事を割り振りして計画を立てられるというのはとても魅力的な働き方でした。

ただし、同じ立場の人がいないため、悩みも共有できません。誰に相談しても理解してもらうのは難しく、気持ちが孤立しかねない環境ではあると感じます。

私の場合は、自分の仕事を自分のペースと責任の範囲で進めつつ、保育士さんたちを支える立場を確立していきました。
大変そうな時に声を掛ける、手を貸す。悩んでいる人の話をただひたすら聴く。
そういう立ち位置を築き上げてきて、自分にとっても居心地の良い場所ができました。

事務員というのは園の中で唯一、誰とも利害関係が発生しない立場であり、誰かに話を聞いて欲しい時に相談しやすい相手のようです。

実際の仕事を見てみよう

日々の業務

日々の業務はどんなものがあるのでしょうか。
実際にやっている作業は、割と細かくてすぐ終わるものが多く、その寄せ集めのような感じです。

  • その日の登園児の打刻を確認する
  • 昨日の登園児の降園打刻を確認して延長のチェックをする
  • 補助金対象のカウントをする
  • 売り上げが発生した際の処理をする
  • 届いた書類の整理と記録
  • 会社から来るメールでの指示に対応
  • 時間が来たら連絡帳をロックする
  • 職員の勤怠状況を確認し、申請漏れを拾う
  • 職員の手当の計算
  • 電話対応
  • 見学者受付対応

このような業務が日々必ず行うものです。

それ以外にも、毎月行うもの、行事の際に行うもの、年度末や入退園・入退職の際の処理等もあります。

  • クラスのブログをアップする
  • 保育の様子の動画をアップする
  • 公開保育の広報活動(チラシを作る、参加者を集める、案内を送る等)
  • 写真販売作業
  • 園児の契約内容の変更の処理
  • 請求書の発行
  • 教材・備品発注と在庫管理
  • タブレット等の備品の棚卸
  • 掲示物の作成
  • おたよりの作成
  • 会議の議事録
  • シフト登録
  • 事故ミスの管理
  • 園児記録の管理
  • 職員の健康診断の手配やコロナワクチン接種の管理
  • 入園児・入職者のための準備(名前テープや書類の準備)
  • 会議での事務連絡
  • 新年度に向けての書類作成等

一つ一つはさほど難しいことはありません。
会社のフォローもあり、わからなければ会社の担当や系列園の事務員さんに質問・相談もできる環境です。

保育事務ならでは?こんな業務も

保育事務なので、机に向かってパソコンや書類を相手にしているだけの仕事ではなく、掃除やお買い物など「用務員」さんのような仕事も舞い込んできたりします。

他にも保育園ならではな業務としては、

  • 戸外活動中の突然の雨で傘を届ける
  • お散歩中のおもらしで着替えを届ける
  • お散歩の付き添い
  • 撮影
  • 行事のお手伝い
  • 泣いている園児の対応
  • 急に必要になった遊具や資材の準備
  • 体調不良の園児の見守り

こういった業務も発生します。

私の場合はこんなこともやります

例外的ですが、私は裁縫が得意なので、衣装作りやおもちゃ作り、物の修繕等も行います。
衣装は布を買ってきてドレスを縫ったり、クラスの要望通りのものを園児数分作成しています。
夏祭り用の職員のはっぴを20着作ったりもしましたよ!

どんな人が向いてる?保育事務の仕事

保育事務に向いていると思われる性格

では、保育事務に向いているのはどんな方でしょうか。
私の考える「保育事務に向いている」と思われるタイプはこのような方です。

  • 人が好き
  • 子どもが好き
  • サービス精神旺盛
  • 静かな環境よりも賑やかな方が良い
  • 日々変化のある環境が好き
  • 人の役に立ちたいという気持ちが強い
  • できないと思わずにまずはやってみることが出来る人
  • 臨機応変な対応が得意
  • 穏やかな性格、優しい心の持ち主
  • 笑顔が素敵!

これら全てが揃わないと出来ないわけではありません。私自身も兼ね備えてない面があります。
それでも、どれか当てはまることを強みとして働けば、楽しくやりがいを持って働けるのではないかと思います。

こんな働き方を望む人にはぴったりのお仕事!

先ほども書いた通り、保育事務は一人で業務をこなすケースが多い仕事です。
責任感を常に持って自己管理ができ、スケジューリングが得意な方にはぴったりな職種です。

また、他の職員に対する思いやりを持ち続け、大変な保育の現場で戦う保育士さんたちを支えられるオアシスのような存在になりたい!と思える方にはとてもやりがいを感じられる立場だと思います。

小さい子どもが好きだけど、がっつり関わるというよりは近くで見守りながら楽しく自分の仕事ができるといいなというような方にもぴったりですね。

私はこの仕事に就く前、我が子が幼稚園の頃のことを思い出し、あんな楽しい環境で事務の仕事ができるなんて理想的!と思い応募しました。保育はできないけれど、事務は得意。だから事務の面で園やみんなのために働きたいと思ったのです。

当時、年齢は40手前。仕事を覚えるにもまだ頭は働くし、あの時就職できて良かったと今になって思います。
長く働く中で信用を得て、今となっては物覚えが微妙でも肩身の狭い思いをせずに済んでいます。

保育園は女性社会です。男性職員が全くいない場合もあり得ます。
そういった職場で働くことが苦手な方は、その園の現状を確認するか、または保育園での勤務は諦めた方が良いと思います。やはり女性社会というのは苦手な人には厳しい環境であるというのは否定できません。

保育事務のお仕事はどうやって探す?

保育事務の求人を探そう

この仕事に就く前は、菓子の包装の仕事をしていました。その仕事も手先のことが得意な私にはとても楽しくやりがいもあり、気に入っていたのですが、身体的な問題で退職することを決めました。

次にやるのは何が良いか、見当もつかないまま求人誌のタウンワークや新聞広告を眺めている中で、いつも目につくのは保育園などの子ども絡みの施設の求人でした。なんとなく環境が想像できるという意味で目についたのかもしれません。

保育事務の仕事を探したいと思ったら、地元の求人広報誌を見たり、ネット検索で「保育事務 ○○(地域名)」と検索してみましょう。
条件が合う求人が見つかったら、その園のHPを見てみたり口コミを見ることで、雰囲気が多少掴めると思います。ブログを公開している園なら、もっと雰囲気が見えるかもしれませんね。

また、保育事務にも常勤(正社員)と非常勤(パート)があり、働き方の要望に合わせてもらうことができます。
私の場合は非常勤で入社、数年後に常勤への移行を求められ常勤になりましたが、正社員で働くという拘束感が私には合わず非常勤に戻って今に至ります。

応募時のアピールポイントは?

私の場合は幼児教育科卒という肩書きがあったため、面接では「なぜ保育ではなく事務を希望されてるのですか?」と聞かれました。
正直そこは突っ込まれるであろうと予想していましたが、私は躊躇わずはっきり答えました。自分には事務の仕事が向いているから、事務で支えたいと。性格的に事務が適していることを伝えました。
自分がそこでやりたい事を迷わず伝えると、働きたい熱意も伝わると思います。

他にも土曜日に行われる行事は参加できるか、という点も確認されました。毎週土曜日の出勤は難しいが、行事の時に予定を合わせることはできると答えました。

ミシンで作り物ができる等、自分が園の役に立ちそうな面もアピールしました。

保育園が欲しいのは、人との協調性があり、誠実で、明るい雰囲気のある人材ではないでしょうか。
仕事がどのくらい出来るかよりも、まずは、園児や保護者とどんな風に接することができる人か、仲間と協調性を持って働くことが出来るかを見られるように思います。

そしてとにかく笑顔!これは必ず見られているので、面接だからと緊張しすぎて顔が強張ることのないよう、表情豊かに話すことを意識すると良いかもしれません。自然な笑顔で対面できた方は、やはり印象が良いですからね。

保育事務が気になる!という方は、ぜひやってみて欲しいと思います。
覚えることも多いですが、とても楽しく、やりがいのあるお仕事ですよ♪

保育園事務員のとある1日を紹介しています。

楽しく働いて9年目!東京都認可保育園で働く事務員のある一日の仕事の流れ
9:00始業時間 到着から午前のお仕事2022年現在、保育園への出勤と在宅勤務を3:2くらいの比率にして働いています。そんなある日の出勤。朝は9:00スタートです。職場に到着。まずすることは…...

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コメント

  1. さすらい より:

    こんにちは、はじめまして。
    今度、保育園の事務の仕事をすることになって
    検索してこちらにたどり着きました。
    内容とっても参考になりました!
    たぴこ様に感謝です☺

    一つもし質問に答えていただければ幸いなのですが
    保育園の事務をするにあたって何か勉強したことなど
    ありますか?(本を購入したなど)

    ご返答いただければうれしいです。

    • たぴこ* より:

      さすらいさん、コメントありがとうございます😊

      保育園の事務員さんになられるのですね!おめでとうございます。

      私は入職前に勉強したことはありませんでした。どんな仕事をするのかもわからなかったので、何もできず…

      ただ、パソコンは好きでそれなりにいじっていたので、エクセルの操作は自由に出来、ブラインドタッチももともと得意でした。
      保育についての勉強はまったくしていません。

      入社したら、一つ一つじっくり身につけていく姿勢で臨めば大丈夫なはずです。指示を受けたらとにかく私は「がんばります」と答えていました。

      きっと楽しく働けると思います!がんばってください♪

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