保育園事務員のお仕事
保育園で働いて9年目になります。
事務員とはいえ、園児たちと毎日を共に過ごし1年はあっという間に過ぎます。
同じ毎日のようで少しずつ違う日々。季節に合わせて行事があり、一年を通して事務業務にも多少の変化があります。
季節によって変わる業務ってなんだろう?
年度の中で繁忙期はあるのか?などについて見ていきます。
保育園事務の1年『春』
保育園の4月
春は入園の季節です。
4月には1年間でいちばん新入園児が入ってきます。
各クラスの定員は数名、上の年齢になればなるほど進級で埋まるので、0歳児の入園が一番多いというのが恒例です。
初めのうちは慣れ保育。1時間からスタートし、給食を食べたらお迎え、お昼寝が終わったらお迎え…と徐々に時間を延ばして慣らしていきます。
事務員の4月
事務員にとっても4月はバタバタする季節。
初めて登園する新入園児さんを温かい挨拶でお迎えし、保護者にも安心して預けていただけるよういつも以上に誠心誠意対応します。
保育をするのは保育士さんですが、事務員は縁の下の力持ちとして頑張ります。
- 新入園児の書類を整理、提出・格納・保存等
- 新しい子の名前と顔を覚える
- 各園児ごとの契約内容を把握し業務へ反映(延長契約や土曜保育契約、短時間など)
- 配布物の枚数を管理、園児数と家庭数を間違えないよう表にする
- 前年度の卒退園児の対応(請求書発行及び発送、写真販売案内、個人ファイルの移動・保管等)
- 保護者会の資料準備、当日の議事録
園児だけでなく、4月には新入職員もお迎えします。
- 顔写真を撮り職員紹介に載せる
- 園のルールやシステムの使い方など、その都度教えながら慣れてもらう
- 困っていることがないか気にかけ、職場に馴染んで楽しく働いてもらえるよう配慮する
また、会場主催で系列園の事務員さんが集まっての会議があります。事務連絡や今年度の変更点を聞いたり、今年の目標を発表したりします。
保育園の5・6月
園児たちが新しいクラスで少し落ち着いてきたかなという頃にやってくる大型連休。
おかげで連休明けは振り出しに戻る子もちらほら。
それでも先生たちは変わらぬ優しさで受け止めて保育しています。
5・6月は特に大きな行事もなく、園児も職員もペースづくりをしながら過ぎていきます。
事務員の5・6月
4月に追われてやっていた業務を丁寧にまとめていく感じの過ごし方になります。
とりあえずで対応していたものを完了させる、後回しにした作業をする、その他どんどん出てくる懸案事項に対応します。
保育園事務の1年『夏』
保育園の7・8・9月
7月は夏まつりがあります。内容は保育士さんが考えますが、お手伝いできることを職員みんなで進めて準備していきます。
また、七夕には大きな笹を飾り、短冊を用意します。
8月はお盆休みに園児の登園が少なくなります。いつもと違う雰囲気の保育園も楽しいです。
熱中症の危険が高まるためなかなかお散歩に行けず、子どもたちは園内で過ごすことが多くなります。
9月は初日の1日に引き取り避難訓練があります。
保護者に災害を想定した連絡を回し、園児を避難場所まで引き取りに来てもらう訓練です。
事務員の7・8・9月
夏まつりについてはお手紙の配信や作り物のお手伝い、当日の受付や写真撮影などで関わります。
七夕は笹の手配をしたり、短冊をカットして用意したり。届いた笹を設置するのも請け負います。
9月の引き取り訓練の際はお手紙を作成したり、当日に引き取りにみえた保護者を誘導したりします。この日だけでなく毎月の避難訓練の際には、状況に合わせて通報(練習)をし、事務員も避難リュックを背負って園児の避難を手助けします。小さい子は緊急の場合でもテキパキ動けるわけではないので、靴を履かせるお手伝いをしたり、慌てず逃げるんだよと伝えたりもします。
また、各クラスの保護者の代表を集めて行う委員会が年2回あり、1回目がこの時期に行われます。事務員は毎回のテーマに沿った資料を作成し、当日は議事録をとります。
会社の事務員会議の2回目もこの時期です。
保育園事務の1年『秋』
保育園の10・11・12月
10月は運動会です!
競技にお遊戯に子どもたちは大はりきり!保育室内にはワクワクするような音楽が流れ、運動会ごっこの日々が続きます。
運動会が過ぎるとクリスマスに向けて発表会ごっこになっていきます。
楽器を演奏したり劇をしたり、みんなの顔がだんだんと真剣になっていきます。
そしてクリスマスには発表会です。保護者を招いてクラスごとに発表を行います。
クリスマスイブの日にはサンタさんもやってきます。
お昼寝中に届くプレゼントの山に、目を覚ました子どもたちは大喜びです。
事務員の10・11・12月
運動会も発表会も、必要なお手伝いがあれば作り物でも資料作りでもなんでもします。
お知らせ等の保護者への発信もします。
あくまでもお手伝いの範囲なので難しいことはなく、園児たちが楽しく取り組む姿を「かわいい、かわいい」と一番ゆっくり見ていられる立場が事務員だと思います。
去年恥ずかしくて出来なかった子が堂々と出来ていたりすると感動します!
また、先生たちが選んだクリスマスプレゼントの発注と、サンタさんからのお手紙の準備もします。子どもたちの喜ぶ顔が楽しみです!
その他、保護者代表を集めての委員会の2回目と、会社の事務員会議の3回目があります。
保育園事務の1年『冬』
保育園の1・2月
年が明けると忙しなく日々が過ぎていきます。
園児は遠足や節分・ひな祭りなどを過ごしながら進級・卒園に向けて気持ちを高めていきます。
卒園式の準備もそろそろ計画的に動き出します。
また、2月には来年度の新入園児が内定し、面談に入っていきます。
事務員の1・2月
事務もいよいよ新年度の準備を進めていく時期がやってきました。徐々に忙しくなっていきます。
計画を練ったりリストアップしたりは年内に済ませておき、年明けから実際に動き始めていきます。
日々の中では遠足のお見送りをしたり卒園式の資料を作ったり等、お手伝いはしますが、それも徐々に手が回らなくなっていきます。事務業務の方が膨大になるからです。
新入園児が決まったら、そこからは急速にやること・できることが増えていきます。
進められるものからどんどん進めていかないと、年度末に間に合いません!
新年度を迎える時にスムーズに切り替えられるよう、今年度の書類の整理もできるところから手をつけ始めます。
そして今年度最後の事務員会議があります。それぞれ今年取り組んだことの成果を発表します。
保育園の3月
3月は保育も事務も園全体が大忙し!
みんながそれぞれに自分の仕事に追われる季節です。
進級する園児のために、卒園する園児のために、新しくくる園児のために…と、やる事がとにかく山のようです。
事務員の3月
ひたすら年度末の業務を行います。
時間がいくらあっても足りない!と思うようになり、残業する日も年間で一番多いですが、私はアドレナリンが出て楽しくてしょうがない時期です。
- 新入園児の入園書類を揃える
- 名簿関係の更新
- 新入園児、新入職員のシステム登録
- 新入園児用の物品発注
- 新入職員のロッカーやエプロンの準備
- 今年度の自治体提出書類の漏れチェック
- あらゆる書類の原本の整備
- 名前のテプラ作り
- 次年度入力用シートの作成
- 防災備品の在庫チェック
- 端末機器の在庫チェック
- チェックリスト系の新年度分を印刷してセット
- 引き取りカード作成
- 年度末売り上げの処理
- 新年度配布用資料の作成
このリストの一つ一つが枝分かれするので、実際の年度末処理チェックリストは70項目ほどあります。早めに進めたくても進まないのが新入園児・新入職員関連。ここが確定してくる3月は本当に業務が膨大でまさに繁忙期です。
1年を振り返って感じる事務員の仕事
やはり3月4月が繁忙期と言えるでしょう。
実際にとても濃密で、「今日も働いた〜!!」と思いながら帰る日々です。
ただ、この時期だけに集中するというよりも、計画的にできることを前倒しでやっていくこともとても重要。それによって3月がスムーズに捗るか否かがかかっていると言えます。
個人的にはこの3月が1年の中で一番好き。
忙しくても達成感が非常に高いのと、「先のためにする仕事」が好きだからです。
最高にスムーズな新年度を迎えるための3月なのです。
常に少し先を見ながら、先の自分が働きやすいように。そうすることが結局は自分のためになり、園のためになっていると思っています。
保育園には、一年を通して同じ日はありません。昨日も今日もまたこの仕事の繰り返し…という環境とは無縁。むしろ日々の変化に柔軟に合わせて動けることが大切です。
事務でも毎日変化があって楽しい!それが保育園の事務のお仕事です。
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